Delta 2ロケット、退役へ

SpaceNews(8/13)
USAFが来年にも打上をEELVに全面移行することを決定して以来、NASAは現在中型衛星の打ち上げに使用しているDelta 2ロケットを継続使用するかどうか検討してきたが、打上費用の上昇が見込まれることを理由に、現在調達済みのDelta 2が終了後、同ロケットの利用を終了することを決定した。一方、ULAでは、NASAの決定は了解しているが、少なくとも2012年までは、現在のNASAとの打上契約に従いDelta 2による政府衛星打ち上げの売り込みを行うとのこと。
現在NASAは2009年11月打上予定のDawnミッションまで9機のDelta 2での打上が決まっている。更に1機の予備機も手配済みだが、これを利用するか違約金を払って中止するかはまだ決定していない。NASA内部では12月までにこのロケットでの打上げペイロードを決める予定。また、この後に新規のDelta 2を発注する場合、RS-27メインエンジンを含めた停止済みの製造ラインの再稼働が必要となり、費用的にEELVの利用と差異がないとNASAは評価している。
NASAは現在65億ドル超の打上価格の上昇を見込んで、2011年のミッションには120億ドル、2013年のミッションには130億ドルを提示していたが、これらのミッションはEELVで打ち上げられることになる見込み。
但し、EELVによる打上はDelta 2の現価格より上昇することが見込まれることから、Falcon 9やTaurus 2といった新しい打上げ手段の利用も、利用可能であれば、可能性としては排除しないとのこと。
なお、この方針は、2005年のNASAとUSAFの協定に基づくものである。このときに、NASAはUSAFの開発したEELVの利用を増加させることを約束する代わりに、月ミッション用ロケットをEELV発展型ではなくシャトル後継型を利用することに合意を得ている。