ILS社、Galileo打上げにProtonを使うセールスを検討中

SpaceNews(1/15)
当初は同価格帯であればArianespaceが自動的に契約を確保するとの見込みのもとに提案していなかったが、1/7にGalileoを打上げるためのSoyuzロケットの契約額が79.4Mユーロ($114M)/打上げ(5機打上げ合計額の割り戻し値)と発表されたため、価格競争力があるとみて提案を検討しているもの。
ILS社では、Protonを使えば1回の打上げで6機のGalileo衛星を打ち上げることができる(Soyuzは2機)ことから、衛星1機あたりの打上げ価格は1/3にできるとしている。ILS社はProtonの打上げ価格を公表していないが、業界筋によると、最近打上げ価格は上昇傾向にあるものの、$110M/機以下で売り込まれているとのこと。ただし、Protonは6機の衛星を打ち上げるアダプタを有していないことから、Galileo打上げの場合にはこれらの費用が上乗せされることになる。
これに対し、欧州側は、Galileoの打上げは欧州領から実施されること、という方針を決めていることからILSの提案受け入れは難しいと考えられる。ただし、一方で、欧州ではGalileo打上げ用機体はリスク低減のために2種類を確保したいとしており、このうち Ariane 5 ES の適用では4機同時打上げが可能だが、上段ロケットの改修に$50M程度が必要と見込まれている。
なお、Kourou 打上げの Soyuz の価格が予想より高いことを受け、ILSはProtonによる商業衛星のデュアル打上げを検討しており、OSC社と共同で、Orbital Science社の衛星(通信衛星バスは3.2ton以下)を2機打ち上げられる Proton Duo の設計を行って売り込み中であり、顧客が見つかれば2012年にも打上げ可能とのこと。