OneWeb社, $500Mの資金調達を完了。ロケットは初期展開用にSoyuz, 補充打上げ用にLauncherOneを選定

SpaceNew(6/26) SpaceNews(6/25)
OneWeb社は高度1200kmに打ち上げる648機のコンステレーションによりKu帯でのインターネット接続サービスを提供する計画。今回の資金調達は第1ラウンドだが、当面2年間程度追加出資は不要な見通し。Paris Air Showでの同社CTOとのインタビュー記事はこちら

衛星の製造はAirbus Defence and Space社の予定で、最初の10機はToulouseで製造し、運用機は米国内の工場を検討中(CTOのインタビューによると米政府のHosted Payloadを搭載する可能性を想定しているとのこと)。衛星1機の費用は$0.4M〜0.5M程度で、寿命は5年程度。
衛星の打上げは、初度はArianespace社のSoyuzロケット(射点はギアナとバイコヌールの両方を利用)で打上げ、補充は Virgin Galactic社のLauncherOneで実施する計画。

Arianespace社の打上げに関してはこちらの記事を参照。同社は21機のSoyuz打上げの確定契約を締結し、オプションとして5機のSoyuzと3機のAriane 6が含まれる。
なお、最初の1機では10機のパスファインダー衛星を打ち上げ、残りの20機では毎号機32〜36機の衛星を打ち上げる計画。契約額は$1B〜$1.5Bの模様。また、ディスペンサーの開発は別契約を締結予定。また、ギアナ射場の打ち上げ計画状況から、ほとんどの打上げはバイコヌールから実施されると見られる。

Virgin Galactic社の打上げに関してはこちらの記事を参照。39機の打上げを契約。1回の打上げで1〜3機の衛星を打ち上げる。


出資企業にはIntelsat社が含まれる。同社の出資額は$25Mと小さいが、この提携には Intelsatとの顧客の共有が含まれており、赤道近傍でのGEO衛星通信との干渉が懸念される領域でのIntelsat社Epic衛星による高速通信サービスの適用やIntelsat網で補完することによる早期サービス提供が可能になる(OneWeb社の許認可条件では干渉が発生する場合にはGEO衛星を優先して扱うことが定められているため、OneWeb社は赤道近傍では干渉回避のために送信出力を下げることにしている。また、OneWeb社の衛星とIntelsat社のEpic衛星の間には相互互換性がある)。同社CEOによると SES とも同様の協定を結ぶ準備をしているとのこと。

そのほかの出資企業は:

  • インド Bharti Enterprises社: 将来の顧客
  • メキシコ Totalplay Telecommunications社: 将来の顧客
  • コカコーラ社: 2500万カ所にのぼる世界中の拠点や販売店間の通信に利用予定
  • Airbusグループ: 衛星製造予定
  • Qualcomm社: チップセット提供担当
  • Huges Network Systems社: 地上ネットワークシステム担当
  • Virgin Galactic社: LauncherOneによる補充衛星打上げ担当