NASA,2015年のDragon搭載Falcon 9ロケットの飛行中爆発事故調査報告書を公開

Spaceflightnow(3/13) SpaceNews(3/16)
LOXタンク中のヘリウム気蓄器を固定するロッドのロッドエンドが破損して気蓄器が浮上してタンクドームとぶつかって破裂した、という不具合シナリオはSpaceXの公表と同じ。
検討初期にはRP-1タンク貫通フィードラインの二重管の隙間へのLOXもしくはRP-1の漏洩による入熱でフィードライン内でゲーサリングが発生した可能性も検討したが、試験の結果、ゲーサリングが発生する入熱はないとの結論に達した。
ただし、ロッドエンド破損の原因としては、SpaceX社は材料不良としているものの、NASAは、その他に製造時の損傷や組立不良などの損傷要因も原因であった可能性があるとしている。

また、結論として、主要因は、産業用17-4PH(ステンレス鋼)を、極低温気蓄器支持の荷重パスになるロッドに採用しながら、適切な安全率をとらず、解析評価や荷重試験も不十分で、現品のスクリーニング試験も実施しなかった、SpaceX社の設計不良である、とした。

なお、今回の事象が1秒以内で発生したことから、テレメトリ用のネットワークパケットの扱い方に起因して2段ステージ計算機内でのバッファ中にあったデータが送信されずに喪失しており、テレメトリシステムの見直しを勧告している。


公開報告書はこちら:
NASA Independent Review Team, SpaceX CRS-7 Accident Investigation Report, Public Summary