米空軍、Delta 4 Heavy初号機CBC早期停止の原因はLOXフィードライン入口でのキャビテーションと発表

Spaceflightnow(3/16)
Delta 4 Heavy初号機の1段及びブースタが計画より約8秒早くエンジンが停止し、この結果再々着火時に液量が不足して計画軌道に投入できなかった問題で、事故調査委員会の結論が報告された。概要は以下の通り:

LOXタンク底部からフィードラインに流れ込むところでのフィルタ及び曲がり管の影響で発生した局部的な圧力低下によりLOXが蒸発して泡が生じ、これがフィードライン下流に装着されたディプリーションセンサで検知された。その他の推進薬挙動による影響(スロッシングや気泡吸い込み)はFTAでの検討により消去された。これは、Heavy特有のフライトプロファイル(加速度、液量、流速)によるものであり、対策としては、「60%スロットルダウン秒時を早めるか飛行後半のタンク圧を上げることがとれる」とのこと。

コメント

HeavyはMediumに比べて1Gくらいエンジン停止時の加速度が低いと思われる(Mission Planner's Guideからの推定)のですが、これによるエンジン停止8秒前のタンク内ヘッド圧の低下は0.01MPa以下程度のレベルと思われることから、Mediumでは発生せずにHeavyで発生するというのは、非常に微妙なタンク圧で運用しているようです。