NASAの次期月探査プログラムに関する論評

SpaceDaily(12/1)
詳細は本文参照。ロケット関連ということで、CLV/HLVに対する評論のみ抜粋。

NASAシャトルの資産を使うことで効率的な開発ができるとしているが、CLV/HLVとシャトルは大きく異なる:

  • CLV 1段はSRBを流用するが、現在シャトルから供給されている電源系や制御系を自前で持つ他に、ロール制御装置を開発して装着する必要がある。
  • CLV 2段はSSMEx1基の計画だが、SSMEは始動に地上設備からの支援を受けており、空中着火用改修には、Rocketdyneは3年を要すると見込んでいる。
  • HLV 1段はETをベースとしているが荷重条件が全く異なるため新規設計になる。

また、運用面でも問題点が多い:

  • 高価なSSMEを6基使い捨てにする。
  • HLV/CLVと2つの独立システムの運用が必要。
  • HLVで打ち上げるEDSに極低温推進薬を採用したため、軌道上寿命が30日しかない。HLV打上後にCLVにトラブルが発生した場合、スケジュールに押されてリスクを承知でCLVを打ち上げる判断がされる可能性がある。
  • 提案されている月面基地運用には、HLV 4基/年 ⇒ SSME 22基/年と、予算的に非現実的な生産レートが必要。

コメント

「本来宇宙機は可能な限り軽量化するために特定の目的のために設計されるべきところ、CEVは多目的を設計コンセプトにすることで基本的な間違いを犯している」との主張は説得力がありますね。上記リンクからたどれるWordファイルの詳細な記事は一読の価値があると思います。CEVを多目的にしたがために機体が大型化し、打上ロケットも巨大化したことが分かります。