準天頂衛星、2009年に1基のみで運用開始

毎日新聞(4/1)
当初官1基,民間2基で打ち上げ、民間は放送・通信事業に活用する計画だったが、民間側は事業化目処がないとして参加を断念した。
準天頂衛星は、静止衛星と同高度で軌道傾斜面が異なる3つの衛星により、日本付近で常時高迎角に衛星を維持システムで、測位と通信の2つの用途が考えられているもの。
測位(GPS補完)に関しては、JAXA「準天頂衛星を利用した高精度測位実験システム」サイトが、通信に関しては、情報通信研究機構の解説ページが詳しい。

コメント

純粋な技術実験衛星としては1基で良いのだとは思いますが、本当に1基の運用でこのシステムの評価ができるのかは微妙な気がします。24時間使えるからこそ意味のあるシステムもあると思います(例えば、救急とか消防とか。24時間使えなかったら別の手段を確保しますよね?)。測位情報なんかはこの部類に入るような気もするのですが。
ちなみに、準天頂衛星GPS補完には2つの役割が想定されており、第1は4つのGPS衛星のうちの1つを代替するというもの、第2は補正情報の送信です。前者はイメージは分かりやすいですが、具体的にどの程度の改善効果があるのか数字で知りたいところです。後者のメリットはDGPS信号を受信できないところ(山奥とか?よく分かりません。海上海上保安庁がDGPS情報を中波で出しているそうです。)でしか得られないと思うので、あまり都市生活者にはメリットはなさそうです。当然ながら、GPS信号がないと意味をなさないので、米国の政策による影響を受けることも変わりません。

追記(4/3)

2000年からGPSの精度低下が解除されたことを受けて、DGPSのFM多重放送サービスは2008年3月で終了するそうです。