NASA,ESASレポートの全面見直しを検討中

SpaceDaily(4/11)
NASAから、LRA-0と呼ばれる、ESASレポート(有人月探査計画)の全面見直し検討の情報がリークされた。プレゼンテーションページはこちら
本レポートでは、現在のESAS計画は実現性がないとして、代替案を提案しているが、これは、EASAレポート公開時の評論とほぼ同じ内容。
LRA-0では、まず、現ミッション要求に基づき、検討条件を適正化してコンフィギュレーションを以下の通り見直している。

  • CEV:直径5.5mから5mに縮小、推薬はLOX/LCH4からNTO/MMHに変更。
  • LSAM:月離陸船推薬をLOX/LCH4からNTO/MMHに変更、着陸船サイズをボイルオフを考慮して見直し。
  • CLV 1段:SRBを4セグメントから5セグメントに変更
  • CLV 2段:SSME 5基からJ-2X 1基に変更
  • CLVの投入軌道を低軌道に見直し,質量マージンを10%から15%に増加
  • CaLV ブースタ:固体推進薬をHTPBからPBANに変更
  • CaLV コアステージ:質量適正化
  • CaLV EDS:J-2S+ 2基からBlock II J-2X 1基に変更

この結果、打上能力は現在の要求を満足できず、ミッション要求の大幅な見直しが必要となると結論付け、2つのミッション案を提示している。

  1. 地球-月系のL2点(第2ラグランジュ点)でCEVが待機する案
  2. 月着陸を2名,7日としエアロックも省いた最低限の案

コメント

ESAS案が出たときにちまたで疑問視されていたところを、ようやくNASAが公式に認めるということでしょうか。ESAS案が、議会を通すために、政治的に(シャトル関連産業の雇用確保を維持することを第一に)立てられた案であることは当初から指摘されていましたが、成立性がない案を出してしまうのはやり過ぎだった気がしますね・・・