ATV1、推進系制御装置(PDE)にトラブル発生、軌道制御をホールド

NASA Spaceflight(3/8) Spaceflightnow(3/9)
昨日打上げられたATV1は、軌道上でのスラスタの制御に用いる電子機器(Propulsion Drive Electronics)のうち1つ(合計4個)の不具合が発生し、軌道上でのスラスタ噴射はホールドされた。現在トラブルシュート中。現状のままでも推進薬消費量は増加するものの制御は可能であるが、ISS接近時にバックアップ系がなくなってしまうことになるため、原因究明を進めている。
当該事象は、軌道上での機器立上げ時にヒドラジンタンクとN2O4タンクの差圧が規定を超える値を示したことにより、オンボードコンピュータの故障検知が働きバックアップ系に切り替わったことによるもので、電気系の異常か推進系の異常かはまだ切り分けられていない。
ISSへの接近のデモまでには10日間のスケジュールマージンがあることから、ESAでは緊急の問題はないとしている。