NASA、Taurus XL / OCO の打上げ失敗の調査結果を発表

SpaceNews(7/17)
Taurus XL/OCOは第3段(Stage 2)フェーズでのフェアリング分離に失敗してアポジ615kmまで上昇した後で南極近傍の太平洋に落下した。調査では特定の要因を突き止めることはできなかったが、報告書では4つの可能性のある原因を挙げている。(報告書の Executive Summary は こちら(PDFファイル))

  1. 火工品による分離部結合機構の故障
    (機械的な故障。勧告内容からするとトレーサビリティがきちんと確保されていなかった模様)
  2. 分離火工品着火用電気システムの故障
    (過渡的な着火電流の不足。勧告内容からするとテレメトリデータレンジが狭くて過渡的にどの程度の電流が流れたのか分からない設定で、地上での試験でもモニタしていなかった模様)
  3. フェアリング分離力を供給するニューマチックシステムの故障
    (固体推薬を使った Hot Gas Generator で発生させたガスで分離させる仕組み。勧告からすると品質管理(重要特性が管理されていなかったり、そもそもQTで実環境模擬ができていなかったりしている)と耐環境性評価がかなり甘かった模様で、勧告を実行できないならHGGをやめて別の分離システムを採用せよ、としている)
  4. 分離機構のプレートナットにFCDCのコードが絡まった
    FCDC は Flexible Confined Detonating Cord でいわゆる CDF のこと。