NASA、STS-127用SSMEのノズルピンホールの原因は粘着テープの硫黄分と推定

NASA Spaceflight(9/24)
STS-127/2JAミッション用のNo.1SSME(SN 2045)のノズル再生冷却チューブから340箇所のピンホールが見つかった問題で、NASAは、該当部を切断した調査の結果、1990年代に(点検用の)スロートプラグからの漏れを塞ぐのに使用していた Tacky Tape という粘着テープの硫黄成分が原因と発表した。当時付着した硫黄が燃焼中の高温化でのニッケル表面処理と反応してクラックを生じさせ、発生したクラックから水蒸気が内部に入って腐食が進行してチューブにピンホールを発生させたとのこと。
対策は現在検討中だが、ノズルチューブ内に乾燥空気や窒素のパージガスを入れることや、フロリダの高温多湿の気候から守る保護具をつけることなどが候補になっている。また、そのほかのTacky Tapeを使っていたノズルの耐食処置は実施済み。
なお、ノズル内面表面が腐食のような外観であることはフライト前に判明して審査会で議論された(こちらの記事)が、ブラシによるふき取り洗浄でこれらを取り除くことで問題ないと判断していた。

コメント

ノズルのリークテストの写真が載っていますが、リング状にあちらこちらからリークソープの泡が出ています。
ちなみに、STS-127の打ち上げ前の記事(7/4付)を読むと「ノズルリークテストの実施が必要かどうかは洗浄後の状況を見て判断するが、実施する場合計画している打ち上げ日(7/13)への影響がある可能性がある」となっています。実際には打ち上げ日は7/11に早められているためおそらく実施されていないのでしょう。この判断にも疑義がでそうですね。