NASA、シャトルの水素タンク加圧制御弁(FCV)の故障解析を終了

NASA Spaceflight(1/15)
STS-126(2008/11打上げ)で水素タンク加圧制御用電磁弁のポペットにクラックが発見された事象の調査を継続してきたNASAは、地上でのGN2及びGH2でのガス流し試験がクラックの原因の可能性が高いとの結論をまとめた。
この事象はSTS-126の打上げ時に3つあるタンク加圧用電磁弁のうちの1つがコマンドがないのに小流量から大流量に切り替わったと見られる事象が見られたことに端を発したもの。当該電磁弁は、コマンドON時に励磁されて小流量となり、コマンドOFF時に非励磁となり大流量となるストローク0.017"(0.43mm)の電磁弁。当該電磁弁をフライト後に分解した結果、ポペットシート部の全周の約1/4(約87度)が欠損していたことがわかり、現在ではフライト前後に渦流探傷検査でクラックのないことを確認している。
故障解析結果を受けた改善策としては、流量試験時の気柱振動モードの周波数をずらすための地上試験のコンフィギュレーションの改善と、ポペットを全開位置に固定して行う流量試験での計測の再現性を向上させるための試験設備の改善により、試験回数を削減してポペットへの負荷を減らすことが含まれている。