NASA,デブリ除去実験衛星RemoveDebrisのISSへの輸送を延期

SpaceNews(5/26)
RemoveDebrisはISSから放出する予定の100kgの衛星で、網を使ったアクティブデブリ除去の実験を行う予定。欧州の10機関(Airbus DSとSSTLも含まれる)が開発。当初6月のFalcon 9でISSに輸送予定だったが、NASA安全審査の結果2017年末〜2018年初に延期。

USAF, Vulcan用に選定されなかったエンジン開発への資金提供を停止する可能性大

SpaceNews(5/25)
USAFは2016年3月にARとULA/BOの両社と、コストシェアリングを前提とした合計$160M以上の契約を締結済。ARは$115Mを、ULAは$46.6Mを受領。
USAF担当官は選定されなかったエンジンの開発費を拠出し続けるかどうか明言は避けたが、USAFは打ち上げ輸送サービスを調達するのであってロケットやエンジンを調達するわけではない、との立場は明らかにしている。

Rocket Lab社, Electronロケット初号機の試験飛行を実施。軌道投入には失敗

Spaceflightnow(5/25) SpaceNews(5/25)
1段燃焼,1/2段分離,2段着火,フェアリング分離のイベントは完了。軌道投入には失敗。
Electronロケットは米国・ニュージーランドのVC資金とLockheed Martin社の出資資金を使って$100M以下で開発された。また、同社はロケットだけでなく射点や追跡管制施設も自社で所有。

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コメント

上段アンビリカル離脱がちょっと遅いですね。

DARPA,XS-1の契約相手方にBoeing社を選定。契約額は$146M

SpaceNews(5/24)
Boeing社は "Phantom Express"と命名した機体を提案しており、Phase 2と3を実施する。フェーズ2では機体開発と地上試験を2019年までかけて実施し、フェーズ3では12〜15回の試験飛行を2020年に実施予定。
契約額は$146Mだが、契約はPPP形態であり、Boeing社も一定額を拠出する。
Phantom Expressは垂直に離陸し、上段ステージを分離した後、有翼の1段ステージは滑走路に着陸する。エンジンはSSMEをベースとしたAerojet Rocketdyne社のAR-22を採用。エンジン部品は同社とNASAの初期型SSMEの在庫を流用予定。Boeingはフェーズ1ではBlue Origin社のエンジンを想定していたが、実績のある再使用エンジンとしてAR社エンジンに変更した。

XS-1プログラムでは、再使用1段ステージを使って2200kgのペイロードをMinotaur 4の打ち上げ費用($50M程度)より1オーダー下げることを目標としている。フェーズ1には、Boeing社のほか、Masten/XCOR, Northrop Grumman/Virgin Galacticが選定され、全社がPhase 2の提案書を提出していた。

キーとなる要求は当初から変わっておらず、10日に10フライトが要求されており、フェーズ2のエンジン試験でもこれを模擬する計画。

なお、XS-1の自立飛行安全システムとしては、機体開発が中止されたALASAプロジェクト(推進薬調合計画として継続中)で開発した技術が適用される。

ESA,火星ランダーSchiaparelli着陸失敗の調査委員会,是正勧告を発表

Spaceflightnow(5/24)
事前の検証不足を指摘。Schiaparelliランダーは、パラシュートでの降下中にIMUが想定以上の回転レートを検知して飽和したことがきっかけで誘導計算機が現在高度を地表面以下だと誤認識して、パラシュートを切り離してスラスタを早期停止させたことで、高度3.7kmから地表に落下した。

NASA,予算がつかず,独自の衛星推進薬補給ミッションを中止する計画

Spaceflightnow(5/23) AviationWeek(5/24)
Landsatに推進薬を補給するミッション(Restore-L)を検討していたが、政府の来年度予算要求では民間事業やDARPAの計画と重複しているとして当該ミッションへの予算は削除された。これを受け、NASADARPAや民間との協力で実現を目指す方向に方向転換。なお、本年度予算は$130Mが認められており、今後も、衛星補給技術については、研究開発として規模を縮小して継続するとしている。
なお、DARPA静止軌道の衛星への補給ミッション(Robotic Servicing of Geosynchronous Satelltes, RSGS)を検討している。