SLSのコストオーバーラン,議会報告と再評価のレベルを超過

SpaceNews(3/11)
監察総監室(OIG)の評価では、初号機打上げまでの費用はベースラインに対して少なくとも33%超過しており、スケジュール遅延を考慮すると43%以上超過する可能性が高い。当初のArtemis 1プロジェクト費用は$7Bに対して、NASAの見通しは$8.75Bの25%増とされているが、OIGは、NASAが見通しから除いた固体モータとRS25の開発費$889Mを含めると33%超過になると評価。コスト超過が30%を超えた場合、ベースラインの見直しと議会への報告が必要で、議会承認が下りるまで18ヶ月は予算執行を停止する必要がある可能性が高い。コア機体のコスト超過の主要因のひとつはBoeingが製造するコア機体で繰り返し発生した製造品質不良。また、上段ステージであるICPSのコストはほぼ2倍の$358Mになり、NGC社の固体モータもライナーと断熱材に採用した新規材料でトラブルが発生しており、AR社のRS-25エンジンもノズル開発が2年遅延。

小型ロケット業界、価格競争にはならないと予測

SpaceNews(3/10)
Satellite 2020でのRocket Lab, Virgin Orbitのパネルディスカッション。新興企業は超低価格を提示するけれど、それは事業の本質(Capital intensive heavy manufacturing business)を理解できていないから、とのコメント。

Aerojet Rocketdyne社,新たに製造したRS-25エンジンの認定試験用供試体を製造

NASA Spaceflight(3/10)
SSMEの製造中止から10年以上経って初めての新規製造エンジン。SSMEの信頼性を維持しつつコストダウンのための設計変更を行い17の部品(群)を新規設計品に変更する計画。SSMEに順次組み込んで検証試験を実施している。既に、AM製造PSD,HIP接合MCCは試験済。

Elon Musk氏, Starlinkのスピンオフは行わないと表明

SpaceNews(3/9)
Satellite 2020での講演。2月のBloomberg誌でShotwell社長の発言としてStarlinkのスピンオフを検討していると報道されたが、Musk氏は、Starlink事業はSpaceXの収入源として必要と発言。ブロードバンド市場規模は$30B程度と打ち上げ市場の$3B程度よりはるかに大きいことから、打ち上げ事業より収入源のポテンシャルは高いとの認識。
なお、Starlink衛星は一日6機のペースで製造中。

Momentus社,SpaceXの相乗り打上げを調達し自社製キックステージVigorideによる軌道遷移サービスを提供予定

SpaceNews(3/9)
ペイロード搭載能力は350kgでロケット分離点から高度を300~1200km上昇させた場所に移送可能。

SpaceX社,Falcon 9ロケットで第1世代Dragon最終号機を打上げ

SpaceNews(3/7)
Commercial Resupply Services契約(合計20機)の最終号機。今回のDragonは3回目の飛行で、3回利用するのは3機目。今後のCRS2契約用にはCrew Dragonベースの機体(アボート用のSuperDracoモータをなくして生命維持装置を小型化したバージョン)を適用し、再使用回数は5回の予定。
1段機体の回収にも成功。今回で50回目の成功。前回の海上回収失敗は着陸地点の風が予測と異なっていたことが原因で、回収船への衝突を避けて海面に着水したとのこと。

Arianespace社,UAE偵察衛星Falcon Eye 2打上げ用SoyuzロケットのFregatキックステージを交換することを決定

Spaceflightnow(3/6)
点検中に問題が発覚。Tass通信によるとRCS用ヒーターユニットの電気回路に異常があり、ロシアチームは問題ないと評価したものの、顧客要求で機体を交換することにしたとのこと。

Axiom Space社,SpaceX社とISSへのCrew Dragon打上げ契約を締結

SpaceNews(3/5)
民間人3人とAxiom社1人の合計4人が搭乗予定。Axiom社は1/27にNode 2へのドッキング権利をNASAから獲得している。今後、ISSへの飛行を年2回程度実施する計画で、2024年から26年にかけて3個の自社モジュールをISSに結合する。ISS運用停止時には同モジュールを分離して推進・電気モジュールを結合することで独立した民間ステーションとする計画。